映画『いつまた、君と ~何日君再来~』尾野真千子さん&向井理さん舞台挨拶

いつまた、君と ~何日君再来~  尾野真千子 向井理 札幌

俳優・向井理さんの実の祖母の手記を、向井さん自らが7年の歳月をかけて映画化に取り組んできた『いつまた、君と ~何日君再来(ホーリージュンザイライ)~』が、いよいよ6月24日(土)より全国公開されます。

戦後の混乱の中、ごくごく普通の暮らしを懸命に生きてきた人々の物語は、私たち若い世代にこそ観てほしい作品です。

先日札幌で行われた試写会の上映前に、主演の尾野真千子さんと向井さんが登壇。その舞台挨拶の模様をお伝えします。

 
いつまた、君と ~何日君再来~  尾野真千子 向井理 札幌
 

司会 お二人は札幌での思い出はありますか?

尾野 札幌には撮影や家族旅行で何度も来させていただいてます。

向井 僕は昨年11月に札幌で舞台をやっていたので、来るのは半年振りくらいですね。実は2ヵ月くらい札幌に住んでいたこともありまして、約2週間ススキノのホテルで、1ヵ月半は琴似にいて…。

司会 すごい! 街の名前がピンポイント!

向井 そして恵庭で脳震とうを起こして(笑)。

司会 そこちょっと詳しく聞きたいところですね(笑)。

向井 恵庭の体育館で学生プロレスの映画(『ガチ・ボーイ』)を撮っていたのですが、リングから突き飛ばされて頭を打って医務室に運ばれたことがあります。その映像もちゃんと使われています(苦笑)。

司会 住んでいたこともあるそうですが、学生の頃から札幌には…?

向井 高校2年のときの修学旅行が北海道でした。

司会 その思い出はありますか?

向井 元々は羽田から新千歳まで飛行機で往復する予定だったのですが、それでは味気ないなと思ってみんなで先生に意見を出して夜行列車にしてもらって。夜7時に上野から函館に向かって朝5時くらいに着いて、そこで全ての軍資金を朝市で食べて使い果たしてしまって…。すごく渋いですね(笑)。

司会 それでは映画のお話を聞きたいのですが、『いつまた、君と~何日君再来~』は、向井さんのお祖母様の手記が原作ということで、どんな経緯で映画化されたのですか?

向井 祖母が生前に手記を残していたので自費出版しようということになって、大学生の頃に僕が挿絵を描いたり校正をして、500部くらい刷ったところからという感じですね。

司会 実際にそれは残っているのですか?

向井 まだありますね、何冊か。

司会 それが映画になるきっかけは?

向井 7年前に北海道出身の脚本家・山本むつみさんとドラマ『ゲゲゲの女房』でご一緒したときに、時代背景とか貧乏な境遇とか、そういうのを愛情豊かに書き上げていて、こういう方に書いてもらいたいなと思って、撮影が終わったときに原作の本を手渡しして「いつか書いてください」とお願いしました。

司会 すごいですね! お祖母様の書かれた作品にここまでの道筋を作って、出演もされて…。尾野さん、お祖母様の役ですよ! なにかアドバイスや「おばあちゃんはこんな人だったよ」というお話はされたのですか?

尾野 アドバイスはそんなにないです(笑)。でも撮影する前に「おばあちゃんはいつもニコニコしている人だった」というのを聞いたので、じゃあニコニコしていようと、ずっとニヤニヤしていたかな(笑)。

向井 主にニヤニヤしていたかな(笑)。

司会 尾野さんはこれまで幅広い役を演じて来られていますが、今回の作品はこれまでとまた少し違った、お母さんの表情をされていますね。撮影現場はいかがでしたか?

尾野 とても楽しかったです! 子供たちが元気で『妖怪ウォッチ』のダンスを踊ってくれたり、ゲーム機などでなく撮影に使った昔の道具や現場に置いてある小道具などで遊んでいましたね。「つまらなくないのかな?」と思っていたのですが、意外と楽しく遊んでいる姿を見て、母親になったことはない私ですけど、なぜか「ああ、子供っていいな」と思いました。母性ですかね。ワーッとなりました。 

司会 1つひとつのシーンがどこかの家庭のアルバムに出てくるようなとてもいい笑顔で、ステキなシーンがたくさんありますね。主人公の家族はさまざまな土地を転々としましたが、自分に置き換えていろいろな見知らぬ土地で暮らすことはできますか?

向井 全然いけますね。僕は映画の撮影でカンボジアに1ヵ月間いましたからね。

司会 俳優さんや女優さんは体を張って活動されてますから本当に大変ですね。

向井 そうですね。僕は海外で仕事することが多いですが、わりと順応性があると思います。食べ物さえあえば生きていける!

尾野 順応性なさそうなのにね(笑)。

向井 めちゃくちゃあるよ! 順応性しかないもん。

尾野 この顔ですよ! すごいですよね?

向井 顔は関係ないでしょ(笑)!

尾野 私は山の子なので、いつでもどこでもなんでも食べられますね。

向井 僕もなんでも食べられます。お腹も壊さないし。

司会 お祖母様から受け継いだものですね。

向井 そうですね。うちの家系は全員胃が強いんですよ。

司会 お祖母様に言われたことで一番印象に残っていることはなんですか?

向井 映画は祖母が脳梗塞で入院するところから始まるのですが、実際に祖母が退院したときに「祖父のことをどう思う?」と聞いたら「愛してる」と言っていましたね。

司会 そのときお祖母様はおいくつですか?

向井 90過ぎですね。3年前に亡くなってしまったので、見せてあげたかったですね。

司会 作品の中でも「愛してる」という気持ちがたくさん伝わりますね。尾野さんも、ご家族に言われたことで覚えてることはありますか?

尾野 父母からの手紙や電話の最後には必ず「おかげさまやで」というのを小さいころから言われ続けていたので、初めは分からなかったんですけど、映画に出させてもらったり、いまここにいるのはそういうことなんだなと思いましたね。

司会 ご出身が(遺跡が発掘されている)奈良県吉野郡ということで。発掘された大女優ですよね?

尾野 いやいや(笑)。

司会 作品には懐かしい車も登場します。

向井 60年近く前の車を取り寄せていただいて劇中で運転しているのですが、左ハンドルの車に乗ったことがなかったので怖かったですね。実際にすべて僕が運転していたので。

尾野 車の後ろに私たちを乗せてね?

向井 1台しかないですし、移動中は他の車に乗せていたぐらい貴重ですね。

司会 残念ながらお時間となってしまいました。最後におふたりからメッセージをいただきたいと思います。

向井 すみません。これから寿司に行かないといけなくて…(会場笑)。

司会 では好きなネタをお願いします(笑)。

尾野 好きなネタ…ちょっと上がってくる(笑)。この間10月半ばに生のししゃもを初めて食べさせていただきまして…貴重なんです、あれは! 上品な繊維の中に油がちょっと入っていて、今まで焼いて食べたことしかなかったので美味しかったです。

向井 北海道はサンマ! 東京と全然違うんです。もう脂の乗り方が別モノ。10年近く前に琴似に住んでいたとき、回転寿司が全部美味しかったですね。脂の乗ったサンマは本当に衝撃的でした。

司会 では、気を引き締めて最後にお一人ずつメッセージをお願いいたします。

尾野 みなさん、今日は本当にありがとうございます。この映画は向井くんのご家族のお話ではありますが、この映画を通じて自分の先祖やいろんな人に本当に感謝したくなりました。今日来てくれた方…ありがとうございます。こうしてありがとうと言いたくなるぐらいの作品に出会わせていただきました。これからこの映画を観ていただいて、自分が生きた道をどんどん次の世代に伝えていってほしいなと思います。そうすればきっと命の大切さとか、家族の大切さとか、愛とか…洒落た言葉かもしれませんが、さっきの「愛している」という言葉とか、すごく大切に思える映画なので、みなさん楽しんでください。

向井 短い時間でしたがありがとうございます。いまお話ししていたように、僕の家族だからとか、特別な家族だからというわけではなく、戦後というとても大変な時代を一生懸命諦めることなく、生き抜いてくれた人たちがいるからこそ、僕の母を生んでもらって僕が生まれて…そうやって“受け継ぐ”ことの大切さを僕は幸運なことにこのような手記で感じることができました。その時代は確実にあったし、これは実話ですし、先人たちや自分の先祖を顧みるということは、自分の人生を少し豊かにしてくれるということなんじゃないかなと心に感じました。その想いをいろんな人に伝えていけたらいいなと思って、この映画を企画しました。とにかくこの映画をいまから観ていただくので、これ以上何も言う必要はないんじゃないかなと思いますが(笑)、6月24日から公開なので、少しでも多くの方に観ていただきたいです。ぜひぜひ勧めていただけたら幸いです。どうもありがとうございました。


本作が映画の遺作となられました野際陽子さんのご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。

映画『いつまた、君と ~何日君再来~』

  • 出演:尾野真千子 向井 理 岸本加世子 駿河太郎 イッセー尾形 成田偉心 / 野際陽子
  • 原作:芦村朋子「何日君再来」
  • 企画:向井 理
  • 監督:深川栄洋
  • 脚本:山本むつみ
  • 主題歌:「何日君再来」高畑充希(ワーナーミュージック・ジャパン)
  • ノベライズ:『いつまた、君と ~何日君再来~』(朝日文庫刊)

6月24日(土)より札幌シネマフロンティア、ディノスシネマズ札幌劇場ほか全国で公開

©2017「いつまた、君と ~何日君再来~」製作委員会

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